カテゴリー別アーカイブ: ご準備のいろいろ

新盆・初盆(3)

故人が亡くなられて、初めて迎えるお盆のことをいいます。前回の投稿に続き、新盆・初盆の過ごし方をご紹介させていただきます。

服装

お招きする側は、喪服を選ぶのが一般的です。また、招かれた側も喪服を着たほうがより適切ですが、暑い時期ですので地味な服装でも大丈夫とされています。

新盆・初盆に招かれたときは

故人に近しい親戚は、新盆には盆提灯を送るしきたりがあります。ただし、住宅のご事情などから飾らないところも増えていますので、主催者に聞いてからお贈りするとよいでしょう。また、不祝儀袋に「御提灯代」と表書きをして、お金を包むこともあります。

また、故人と親しかった友人として招かれた際には、「御仏前」「御供物料」として現金をお供えするか、故人の好物だったお菓子や季節の果物、贈答用のお線香をお供えすることが多いようです。御仏前の金額の目安は故人との関係によりますが、およそ5千円〜1万円程度とされています。

※この投稿は、墓苑に関する一般的な知識の普及を目標にしています。当寺に関するご案内ではございませんので、何卒ご了承下さいますようお願いいたします。

新盆・初盆(2)

故人が亡くなられて、初めて迎えるお盆のことをいいます。前回の投稿に続き、新盆・初盆の過ごし方をご紹介させていただきます。

盆提灯について

一般的な盆提灯は、お盆にご先祖の霊が帰ってくる際に、目印となるようお迎えするために焚くのが「迎え火」となります。大切な役割を持つ、お盆のお供えとして最も重要なものとされています。

また、新盆の場合は、普通の絵柄の入った盆提灯のほかに、白提灯(白い火袋の提灯)を飾ります。これは初めてお戻りになる御霊が迷子にならないよう、特別な目印にしてお迎えするためです。この白提灯を飾るのは新盆の時だけで、お盆が終わったら送り火で燃やすか、菩提寺にお納めします。

※浄土真宗では盆提灯ではなく、切子灯篭をご用意されるのが一般的です。

「迎え火」「送り火」

「迎え火」は、ご先祖の霊が帰ってくるときの目印。「送り火」お盆が終わり再びあの世へ見送りするときの火のことをいいます。

それぞれ、家の門口や玄関、もしくはお墓で、素焼きの皿の上で「おがら」を燃やすなど、宗旨や地域によって異なる行事を行います。

また、マンションなどの共同住宅の場合、ご家庭で火を焚くことは難しいため、盆提灯を迎え火・送り火とすることも少なくありません。

※浄土真宗では迎え火・送り火は行わないことが一般的です。

(次回に続きます)

※この投稿は、墓苑に関する一般的な知識の普及を目標にしています。当寺に関するご案内ではございませんので、何卒ご了承下さいますようお願いいたします。

新盆・初盆(1)

故人が亡くなられて、初めて迎えるお盆のことをいいます。「新盆」は「しんぼん」「にいぼん」と読むことが多く、「初盆」は「はつぼん」と読みます。故人が仏になり初めてのお盆となりますので、より丁寧にご供養することが一般的です。

新盆・初盆はいつになるのか

一般的には、故人が亡くなられ、四十九日法要を終えて、初めて迎えるお盆になります。地域の習慣にもよりますので、詳しくは菩提寺にお尋ねください。

新盆・初盆の行い方

準備の仕方は、基本的には普段お迎えするお盆と大きく変わりません。ただ、新盆・初盆のときのみ、親戚や故人の知人・友人を招いて法要を行うことが一般的です。

段取りとしては、丁寧に仏壇、仏具を清め、お盆の入りには精霊棚を準備して供物をお供えします。当日は僧侶にお経をあげてもらい、その後、参会者で食事をします。

また、お盆の行事は古来の農耕儀礼や祖霊信仰などが融合して行われていることが多く、地域や宗派によってさまざま違いがありますので、詳しい執り行いについては菩提寺にお尋ねください。
(次回に続きます)

※この投稿は、墓苑に関する一般的な知識の普及を目標にしています。当寺に関するご案内ではございませんので、何卒ご了承下さいますようお願いいたします。

数珠、念珠について

数珠は、『念珠』、『寿珠』などとも呼ばれ、身近に幅広く普及している宗教用具のひとつです。仏事の際に、念珠を持ちながら合掌礼拝することが最も一般的な使用方法ではないでしょうか。

そもそもの由来は、さまざまな説がありますが、お念仏を読む回数を記憶するためのもの。つまり、『数を念ずる』、『数を記す』ためのものとして生まれたと言われています。玉のひとつずつが、百八煩悩を司る仏様であり、人間のあらゆる煩悩を念珠が引き受けてくれると言われ、古来より厄除けのお守りとしての役割も果たしています。

数珠、念珠の種類

まず、どの宗派の方でも使える略式の数珠というものがあります。

珠の大きさによって、男性用数珠、女性用数珠、腕輪念珠(数珠)などの種類に分かれていますが、汎用的で便利に使用できます。

また厳密には、宗派それぞれには専用の数珠があり、それぞれ形が異なります。

例えば、真言宗で用いる数珠は、真言宗が両方の親玉に二つずつの房がある形から振分数珠と呼ばれ、真言宗以外でも用いるので八宗用とも呼ばれます。また、日蓮宗で用いる数珠は、片方の親玉に三つの房があります。浄土宗では、二つの輪違いのものに丸環がついている、輪違い数珠が多く用いられます。

実際の購入・使用に際しては菩提寺の住職などにご相談なさるのがよいでしょう。

※この投稿は、墓苑に関する一般的な知識の普及を目標にしています。当寺に関するご案内ではございませんので、何卒ご了承下さいますようお願いいたします。

 

天涯孤独の身、お墓は誰に託せばいいの

天涯孤独で年齢を重ねてくると、お葬式やお墓のことなどを誰に託せばいいのか悩むものです。
普段からお寺とのお付き合いがあれば、気軽にご相談されるのが一番ですが、そうでない場合は、例えば「生前契約」という仕組みがあります。
生前契約は、例えば身体の自由を失った状態に陥ったり、自らの意思で物事を決定していくという意思能力を喪失されたり、死亡された後も、後見契約や生前の事務委任に基づき、あらかじめ表示された被支援者の意思に従ってご支援を継続していくというものです。このような仕組みは、営利を目的としないNPOがサービスを提供していることも多いため、安心して任せることが出来ます。

生涯独身の場合、私の死後はお墓は誰が継ぐの

お墓はあるけれど、ご自身の後にお墓を継いでくれる人がいないということも、めずらしいことではなく、承継者がいないというだけで、そのお墓がなくなってしまうということはありません。

土地や家屋、現金のようなものが相続人もなく遺された場合は、国のものになることが決まっていますが、お墓や仏壇・仏具など祭祀財産は、家庭裁判所が承継者を指定することになります。

お墓の場合は管理料を払うため、お墓の使用期限は、管理料が支払われることによって継続するかたちをとることが多いようです。支払われなくなり一定期間が 経過すると、使用権がなくなります。また最近ではこれとは別に継承者がいない場合の使用期限を定めることがあり、33年を区切りとするところが多く、その 後は納骨堂や合葬墓に改葬されるようになっています。

承継者がまったくいない場合でも、例えば生前にお墓を建てて、予め十分な年月を見越した管理料を収めておき、末永くご供養して頂くように事前に話し合うことで、心配はずいぶんなくなるのではないでしょうか。

地震や自然災害で壊れたお墓の修理・修繕はどうなるの

大地震等の揺れで墓石が倒れるなどの被害にあった場合、お墓の損壊は家等と同じように、お墓の持主が各自で有償で補修するしかありません。「天災で壊れた場合のお墓の修繕は有償」となるのが一般的です。
そのため、耐震性の高いお墓を作ることが大切で、基礎工事のしっかりした耐震工法を取り入れたお墓を建てることが重要になります。

エンディングノートとは

エンディングノートとは、人生の締めくくる時に備えて、ご自身の人生を整理し、その思いやご希望を、ご家族や大切な方に明確に伝えるためのノートです。

様式は様々で、記入項目も様々なエンディングノートが書店等で市販されています。何を書くのかは自由ですが、次のような内容を記しておくのが一般的です。

(1)自分自身の記録、思い出、(2)いざというときの意思を記す、(3)お葬式・ご葬儀・埋葬などについての希望、(4)お墓・墓地・霊園についての希望、(5)財産に関する事項、連絡してほしい人のアドレス帳、(6)大切な方々へのメッセージ。

【例:記載項目一覧】

・ご遺言のこと ・感謝のメッセージ ・看病・介護と死について ・病院/日常生活
・人生/自分史 ・思い出アルバム ・趣味/好み/こだわり ・葬儀の希望
・埋葬 ・供養 ・不動産 ・住居 ・預貯金 ・株式 ・年金/健康保険/生命保険
・損害/傷害保険 ・税金・ローン ・クレジットカード ・会員退会/会員権手続き
・車 ・ペット ・形見分け/寄付 ・家系図 ・家族/親族リスト ・友人/知人リスト
・関係会社/団体リスト ・ご近所リスト ・記念日リスト

生前準備の目的は

生前準備とは大きな意味で、人生の締めくくり方を考え整理しておくことです。

例えば、ご葬儀について「家族葬にしてほしい」、お墓について「近くにお墓を建てておいたからそこに入りたい」など、自分らしい形を考え、望んでいる方々が増えています。

そこで、ご葬儀・お葬式やお寺やお墓のこと、「自分の望むエンディング」について考え、さらには財産の整理をすることで「残される方々への思いやり」をプラスしたものが、生前準備となります。

実際には、最後の迎え方、ご葬儀のこと、お墓のことを書いたエンディングノート、大切な人達へのメッセージ、財産や身の回りのものなどの相続に関する法律的な準備などが考えられます。

成年後見人制度とは

成年後見制度とは、認知症などが原因で判断する能力が十分ではないと認められた方を保護するために設けられた制度です。
例えば、悪徳商法などでは、自分に不利益な契約であってもよく判断ができずに結んでしまい、被害にあうことが少なくありません。そのようなことを防ぐための制度でもあります。
ご本人では、不動産や預貯金などの財産を管理したり、身のまわりの世話のために介護サービスや介護施設への入所の契約を結んだり、遺産などの財産の協議を したりする必要があっても、自分でこれらのことをするのが難しい場合に適切に保護し、支援するのが成年後見制度です。成年後見制度には、大きく分けて任意 後見制度と法定後見制度の2種類があります。

(1)任意後見制度
本人が十分な判断能力があるうちに,将来に備えて,あらかじめ自らが選んだ代理人=任意後見人に,自分の生活,療養看護や財産管理に関する事務について代理権を与える制度です。公証役場で手続きとなる任意後見契約を行います。

(2)法定後見制度
家庭裁判所によって選ばれた成年後見人・保佐人・補助人が、本人の利益を考えながら、本人の代理として契約したり、不利益な契約を後から取り消したりすることによって、本人を保護・支援します。