お線香(せんこう) について

お線香(せんこう) は、好まれる香りを出す材料を細かくして練り合わせ細い棒状にして乾燥させたお香のひとつです。
起源は古く、聖徳太子の時代に淡路島に香木「沈香」が漂着したのがはじまりとされています。以降、仏事や神事に使われるようになりましたが、現在のような棒状の線香の形になったのは江戸時代の初め頃からだといわれています。

お線香の材料

さまざまな原料の調合によって作られますが、主に天然原料で、その多くは漢方薬としても用いられています。代表的な原料としては、椨(たぶ)・沈香(じんこう)・白檀(びゃくだん)・桂皮(けいひ)・丁子(ちょうじ)・大茴香(だいういきょう)などがあります。

※この投稿は、墓苑に関する一般的な知識の普及を目標にしています。当寺に関するご案内ではございませんので、何卒ご了承下さいますようお願いいたします。

仏花(ぶっか)について

「仏花」とは、墓参りの際やお仏壇に供える花のことです。基本的には、一対にしてお供えします。

仏花の種類には、菊がよく見られますが(芳香が邪気を払うとされています)が、お供えする花の種類に特別な決まりがあるわけではありません。

ただし、バラなどのとげのある花、芳香の強い花、毒のある花は避けることが多いようです。

お花屋さんに「仏花をお願いします」と言うだけで、適切なお花を見繕ってもらえますし、ご先祖様の好まれたお花を一対ご用意されても良いでしょう。

仏花のお花の種類

一般的に仏花に選ばれるお花の種類は次のようなものです。

輪菊、小菊、洋菊、カーネーション、百合、テッポウユリ、アイリス、金仙花、スターチス、りんどう、グラジオラスなど

これらのお花を組み合わせ(組み合わせる花の数は、奇数が一般的です)、白、黄色、紫などの華やかな色使いが施されることが一般的です。

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数珠、念珠について

数珠は、『念珠』、『寿珠』などとも呼ばれ、身近に幅広く普及している宗教用具のひとつです。仏事の際に、念珠を持ちながら合掌礼拝することが最も一般的な使用方法ではないでしょうか。

そもそもの由来は、さまざまな説がありますが、お念仏を読む回数を記憶するためのもの。つまり、『数を念ずる』、『数を記す』ためのものとして生まれたと言われています。玉のひとつずつが、百八煩悩を司る仏様であり、人間のあらゆる煩悩を念珠が引き受けてくれると言われ、古来より厄除けのお守りとしての役割も果たしています。

数珠、念珠の種類

まず、どの宗派の方でも使える略式の数珠というものがあります。

珠の大きさによって、男性用数珠、女性用数珠、腕輪念珠(数珠)などの種類に分かれていますが、汎用的で便利に使用できます。

また厳密には、宗派それぞれには専用の数珠があり、それぞれ形が異なります。

例えば、真言宗で用いる数珠は、真言宗が両方の親玉に二つずつの房がある形から振分数珠と呼ばれ、真言宗以外でも用いるので八宗用とも呼ばれます。また、日蓮宗で用いる数珠は、片方の親玉に三つの房があります。浄土宗では、二つの輪違いのものに丸環がついている、輪違い数珠が多く用いられます。

実際の購入・使用に際しては菩提寺の住職などにご相談なさるのがよいでしょう。

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洋型墓石

洋型墓石の種類

近年、公園墓地や芝生墓地の普及により建てられるようになった、高さが低く安定感のある形式のお墓です。日本古来から伝わってきたものではありませんが、墓石に刻む文字も家名だけでなく、好きな言葉や文字など自由なスタイルが特徴です。

主に、関東圏内の公園墓地や芝生墓地で多く取り入れられるようになりました。
デザインは、棹石の正面が地面と直角になっているストレートタイプや、お参りに来られる方の視線の位置を考慮して少し斜めに傾かせているオルガンタイプ、その他さまざまなデザインのものがあります。

洋型墓石の彫刻

正面文字には、もちろん家名を入れることもできますが、お好みのお言葉などを彫刻される事が増えているようです。

例えば、「和」「絆」「愛」「感謝」「ありがとう」「やすらぎ」「道」「慈」「夢」などが一般的です。

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お墓の周りを飾る装飾品

お墓は、墓石と墓石の下に位置するカロート(お骨をお納めする所)。そして、お墓を囲む外柵で基本構成されています。

また、装飾品として、香炉・花立・水鉢・塔婆立・燈籠(とうろう)などがあります。装飾品はご供養における細やかな役割を果たすだけでなく、お墓全体の外観を引き立てる大切な役割を持っています。
今回はお墓の装飾品についてご紹介します。

香炉

香炉(こうろ)とは、お墓の正面にあるお線香をあげるところです。以前はお線香を立てる「香立て」が一般的でしたが、現在はよりお線香が消えにくい、囲いの付いた「香炉」が一般的になりました。

花立・水鉢

墓前に供えるお花やお水を捧げるための装飾品です。左右一対の花立や、水鉢花立. 水鉢があります。お墓全体を引き立てる大切な装飾品になっています。

塔婆立

板塔婆(いたとば)(卒塔婆・塔婆とも)とは、塔婆追善供養のために墓の脇になどに立てる木製の長い板のことを言います。塔婆立ては供養のための塔婆を支えるためのもので、宗派によっては使用しない場合もあります。

灯籠

お墓の周囲に置く灯籠(とうろう)(灯篭とも)は、墓前灯籠とも呼ばれ装飾品としての意味合いが強いものです。火を点(とも)すことで、明かりのご供養をするために使います。一対ないし、右側に一基設置するのが一般的です。

墓誌

霊標や法名碑ともいいます。故人の没年や戒名・俗名・年齢など、略歴を刻んだ石版です。

地蔵尊

お墓として子供を祀るとき、地蔵尊を据えて祀ることもあります。生後間もなく世を去った子供の供養のために建立されることが多いようです。

名刺受

お墓参りに来られた方のお名刺を受けるものです。どなたがお墓参りに来かたが分かるようになります。

さまざまな墓石

墓石の形には、和型、洋型、五輪塔、宝塔、宝篋印塔(ほうきょういんとう)、無縫塔、層塔、神道型などがあります。今回は最も一般的な 「和型墓石」についてご紹介します。

(墓石のかたちは宗教や地域により大きく異なります。一般的なご紹介としてご理解下さい。)

和型墓石のかたち

現在主流となっているお墓は「和型(わがた)墓石」と呼ばれ、江戸時代に一般化したお墓の形です。仏舎利塔を原型としています。
墓石は、上の石から、 天(家庭円満) 、人(人望・出世)、 地(財産維持)を表していると言われています。

またその形は、位牌を模した処から始まっており、江戸時代中期以降に今の様式となりました。構成は、竿石(仏石、石碑など)、上台、下台の二重台型が一般的です。

竿石(さおいし)の様式

「・・家之墓」などの文言などを刻む、縦長の長方形の「竿石(仏石ともいいます)」には様々な加工様式があります。主に竿石とその下の上台が接する部分に特徴のある加工が施されます。

  • スリン加工
    文言などを刻む縦長の長方形の竿石の下部分に、仏石に座布団を敷いたような形を加えた加工です。
  • 蓮華加工
    同様に、蓮の花を擬した形の加工をしたものです。蓮の花が上を向いたような加工を上蓮華といいます。
  • 亀腹加工
    縁起の動物である亀の背の亀甲を模した形で仏石を祀るもので、なめらかな段を造ります。
  • 額縁加工
    仏石の正面に額縁の輪郭の加工を施すものです。額の内側が窪んでいるものを額抜き加工、反対に額の内側が押し出されているものを額出し加工と呼ぶこともあります。
  • 大名型加工
    仏石の上に、石の屋根型の笠を据え付ける加工です。高級感のあるお墓になります。
  • 水垂(みずだれ)加工
    水切り加工、亀腹(かめばら)・丸面取り加工とも言います。四角い面のままだど水が溜まってしまいやすかったため、地面と平行になる面を水垂のように斜めに加工したり、角の部分を丸く加工して水はけを良くし、仏石の水切り状態を保ちます。

芝台

墓石を構成するものではありませんが、下台の下には「芝台」と呼ばれる、お墓の一番下の台となる部分があります。安定した強度のあるお墓には必要なものとして、現在はほとんどのお墓に使用されています。

お墓の中にお納めするご遺骨を丁寧にお取り扱いできることや、芝台を高くすることで空間も大きく、ゆったりとしたスペースを確保することができます。また芝台が高くなることで、墓石全体の偉容を高める効用もあります。

永代供養墓について

永代供養墓について
永代供養墓は、「えいたいくようぼ」もしくは「えいたいくようばか」と呼ばれ、お寺が主体となって永代に渡る供養と管理を(祭祀と管理)を執り行うお墓です。

特徴としては、一般的に次のことが挙げられます。

  • 承継者(後継ぎ)の有無に関わりなく、お申し込み頂けること
  • お寺の定める永代の管理と祭祀(供養)が受けられること
  • 生前にお申し込みやご準備が整う
  • 一般のお墓を建立するよりも、墓石代などがかからないため、費用を抑えることができることが多いこと
  • お寺院の永代供養墓は、交通の便のよい立地であることが多いこと

また、一般的に他の人と一緒の墓あるいは同じ納骨室(棚)に安置されることから、合祀墓、合同墓、共同墓、納骨堂などとも呼ばれています。

当法伝寺では、「永代供養・観音の会」会員皆さま限定の、納骨堂「観音堂納骨堂」および合同墓「絆」をご用意しています。
「永代供養・観音の会」は、ご先祖様のお墓や後継者などの様々な問題を共に乗り越え、ご自身の望まれる御供養の方法をお選び頂くための当寺主催の会合です。
ご関心のある方は、フリーダイヤル、0120-27-4114までお気軽にご相談ください。

浄土宗の行事 記主忌

記主忌(きしゅき)(7月6日)

浄土宗の第3祖である記主禅師、然阿良忠 (きしゅぜんじねんなりょうちゅう) 上人の忌日に行われる法要です。上人は1287年(弘安10年)、89歳で亡くなられました。

上人は、その送り名が「記主禅師」とされたことからもわかる通り、数多くの著述を行い、浄土宗の教学を大成させました。

浄土宗の行事 宗祖降誕会

宗祖降誕会(しゅうそこうたんえ)(4月7日)

宗祖、法然上人の誕生を祝う法要です。法然上人は現在の岡山県で1133年(長承2年)に誕生せられました。

この日、浄土宗の各寺院では香華を供え、誕生に際しては天から上人が降りて来たという故事に因んで、白旗が2本立てられます。

お葬式の変化、小規模化について

お葬式といえば、これまでお寺を含む、地域のいろいろな方々の協力によって進められてきたものでした。
読経や焼香などを執り行い、故人の死を友人・知人・近隣・仕事関係に幅広く伝え、盛大に見送ることが、故人への手向けになると考えられていました。地域の共同体や企業などが協力し、人を動員して、できるだけ大勢が会葬する大規模な葬儀が良しとされていたのです。

現在もこのような伝統的な葬儀はよくみられますが、特に都市部では小規模化・個性化が進んでいます。

少子高齢化や核家族化、ご近所とのお付き合いの減少などが一般的になり、ご自身のお葬式は家族葬がいい、親族と親しい人でささやかに見送ってほしいと希望されるお方が増えています。

家族葬とは大まかに、近親者のみで行うご葬儀のことです。通夜と告別式といったセレモニーをご家族の他は身近な友人、知人と少人数で執り行います。儀礼的な弔問は受けないこともあります。